2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19760379
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
吉中 進 Osaka City University, 大学院・工学研究科, 特任講師 (70401271)
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Keywords | 建築構造 / 振動制御 / 大スパン構造 / ロバスト性 / TMD / MTMD |
Research Abstract |
1. 新しいロバスト制振システムの可能性の検討 昨年度の研究によりMTMD法は構造物の固有振動数変動に対するロバスト性の高い制振法であるが、地震力など非定常性の強い外力に対しては応答初期の効果に課題があることが分かった。本年度は効果が外力の特性に依存しないロバストな制振システムとして、TMDに初期変位を与える方法を提案して数値解析による検討を行った。インパルス応答を検討した結果、初期変位を適切に与えることにより応答初期の効果が格段に向上することが分かった。さらに初期変位の大きさに関する設計式を提案し、実地震波に対する制振効果を確認した。これらの研究成果は日本建築学会大会および構造系論文集等で発表する予定である。また初期変位付与型制振装置の機構や初期変位の与え方に関して特許の出願準備中である。 2. 実構造物の固有振動数変動の調査 MTMD法を用いたロバスト制振システムの有効性を確認するために実構造物の固有振動数変動に関する文献調査を実施した。1995年兵庫県南部地震において杭の損傷を受けた建物の固有周期の測定結果によると、杭の損傷により支持条件が低下する結果、固有周期が健全な建物に比べて1.3-1.7倍になることが分かった。健全な建物においても本震時においては固有周期が1.6倍以上になることが分かった。損傷と無関係な固有振動数の変動要因として振動振幅依存性があること。コンクリート系構造物においては日照や外気温の変動と関係して5%程度の固有振動数の日内変動があることが分かった。これら固有振動数変動の調査により、MTMD法の有効性が期待できる有益な情報を得ることができた。
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Research Products
(2 results)