2009 Fiscal Year Annual Research Report
平均成分を有する長時間風応答振動時における粘弾性ダンパー特性の解明
Project/Area Number |
19760383
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
佐藤 大樹 Tokyo University of Science, 理工学部・建築学科, 助教 (40447561)
|
Keywords | 粘弾性ダンパー / 風応答 / 継続時間 / 平均成分 / 温度上昇 / 熱伝導解析 / 制振構造 / 簡易評価手法 |
Research Abstract |
本研究の目的は、粘弾性ダンパーを超高層建物の風応答制振に用いる場合に、長時間のランダム風応答振動に対する粘弾性ダンパーの温度上昇による特性の変化や、平均成分を有する風力に対する粘弾性ダンパーのクリープ変形が風応答に与える影響を明らかにし、それらを精度良く再現できる解析・実験手法を構築することである。以下に平成21年度の実績を述べる (1) 粘弾性ダンパーを有する制振構造の風応答予測手法を構築した。本手法は従来提案されている方法と異なり、振動数依存性も考慮しているだけなく、ダンパーによってシステムが高減衰となった場合にも、精度良く応答を予測することができる。 (2) ランダム振動時の粘弾性ダンパーの特性を等価な正弦波により再現する「正弦波置換法」を、風方向、風直角方向風力に対して、それぞれ固有周期および減衰の異なる建物での応答波形を、強制変形波形として用いて、正弦波置換した正弦波加振試験を行い、比較検討した。結果より、正弦波置換法はランダム振動時のダンパー温度だけでなく、ダンパーの剛性やエネルギー吸収性能を精度よく再現しており、本手法の有用性を確認した。本手法は風応答時のダンパー特性を確認する実験手法として大変有用である。
|