2008 Fiscal Year Annual Research Report
ストック住宅の耐震性能向上による長寿命化と保存・再生に関する研究
Project/Area Number |
19760398
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Research Institution | National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention |
Principal Investigator |
清水 秀丸 National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention, 兵庫耐震工学研究センター, 契約研究員 (70378917)
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Keywords | 既存建物 / 耐震性能 / 長寿命化 / 保存・再生 / 木造住宅 / 被害写真 / 窓ガラス |
Research Abstract |
建設分野では既存建物の長寿命化に対する構造的技術の開発が求められており、既存木造住宅を長寿命化させるには、経年劣化を最小限に抑えること、地震による損傷を軽微とすることが最も重要である。本研究では、地震による損傷を定量的に判断するための基礎データを蓄積することを目的とした。 地震により被災した木造住宅では、壁のひび割れや脱落の状態から建物が修復不能な状態であると目視で判断し、新築住宅に建て替える場合が多い。木造住宅に多い軸組構法の場合、柱・梁などの主要な軸組に大きな損傷が発生しなかった場合は、壁のみの補修によって被災前の最大耐力と同程度まで耐力が回復することが近年の研究より明らかとなった。本年度の研究は、昨年度実施した地震被災後の耐震改修・建て替えの判断基準となる写真データの蓄積を引き続き行い、被災住宅の中から構造的に修復が難しい住宅を適切かつ容易に分類するデータを得た。具体的には、昨年度実施した古い木造住宅に対して、本年度は在来構法の木造住宅を対象とした実験を実施した。木造住宅における各層間変形角の損傷を、非構造部材をも含めて明らかとするため、サッシ、窓ガラスを持つ壁面の静加力実験を行った。実験では、大きな変形角においても窓ガラスが破壊することは無かったが、2枚の窓ガラスを固定するクレセントの変形や破壊、サッシの変形が見られた。また、非構造部材が耐力・剛性に与える影響も調査し、初期剛性、最大耐力はサッシ、窓ガラスの有無により大きな違いが見られることを確認した。
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