2008 Fiscal Year Annual Research Report
幼児期のアレルギー疾患の実態把握および発症・悪化対策
Project/Area Number |
19760409
|
Research Institution | Gifu National College of Technology |
Principal Investigator |
青木 哲 Gifu National College of Technology, 建築学科, 准教授 (80321438)
|
Keywords | アレルギー / 湿度環境 / 熱環境 / 空気質 / 幼児 |
Research Abstract |
幼稚園に通園する幼児を持つ保護者へのアレルギーに関するアンケート調査と幼児の居住する住宅の実測調査結果を併せた分析を行った。その結果、アンケートでは「床掃除」および「換気」の頻度が低い家庭で有症率が高くなる傾向があり、実測調査からは「床掃除頻度が低い」でダニ汚染度の増加、「冬季の換気頻度が低い」で夏季よりも冬季でダニ汚染度が高い傾向がみられた。両者の結果から「床掃除」や「冬季の換気頻度」がアレルギー性疾患と関連性が高い因子であることが推察された。 冬季の湿度低下により、アトピー性皮膚炎などの症状が悪化することが多いことから、幼稚園おける冬季の加湿の効果実験を行った。これまでの実験により、加湿による絶対湿度の上昇効果はみられたものの、二酸化炭素濃度の上昇がみられたため、空気質への影響についても検討を行った。その結果、開口部の開放時間の短縮は、多くの園児が長時間教室に滞在する場合に室内二酸化炭素濃度が数時間基準値を上回る日も見られたが、開園時間中のほとんどの時間帯で基準値を下回っていた。そのため室内二酸化炭素が園児の人体に及ぼす影響は小さいと考えられた。ただし、対象園は建築年が比較的古く、また使用暖房機具は密閉型であったことから、園の気密度、使用暖房機具による影響に注意が必要であると考えられた。また、幼稚園教諭に関するアンケート調査では、加湿効果を実感できたと回答する方が多かった。ただし、アレルギー症状の緩和等に効果があるかは、調査対象クラスの関係上、明確にはできなかった。
|
Research Products
(4 results)