2009 Fiscal Year Annual Research Report
幼児期のアレルギー疾患の実態把握および発症・悪化対策
Project/Area Number |
19760409
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Research Institution | Gifu National College of Technology |
Principal Investigator |
青木 哲 Gifu National College of Technology, 建築学科, 准教授 (80321438)
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Keywords | アレルギー / 湿度環境 / 熱環境 / 幼児 / 睡眠 / 保育所 |
Research Abstract |
昨年度までの実態調査で、冬季の幼稚園教室において低湿度環境の傾向がみられ、アレルギー疾患の発症・悪化との関連性が推察されたため、本年度は保育所において、冬季保育室内の温湿度環境の実態把握を12月~2月にかけて行った。その結果、幼稚園と同様に保育所でもやや低湿度環境である傾向がみられ、その要因は同様であった。保育室内の湿度を上昇させる方法としては、保育士による自然換気量を低減させる調整よりも、加湿器の導入による調整が有効であることが確認された。なお、今年度は新型インフルエンザ流行の影響により、各保育所における湿度環境に関する意識は、特に高かったことに注意を要する。 次に、家庭内におけるアレルギー疾患発症・悪化の原因をさらに検討するため、睡眠時の環境にも着目した。岐阜県美濃地方と愛知県名古屋市の幼稚園・保育園を通して、乳幼児の保護者約700名を対象とした冬季の睡眠時の室内環境に関する全20項目のアンケート調査を実施した。アンケートデータの分析方法としては、単純集計、クロス集計、ロジスティック回帰分析を用いて解析を行った。アンケート調査の解析結果から、建築の形態や築年数だけでなく、住まい方による睡眠時の暖房の使用など、睡眠時の室内環境が睡眠の質に影響を与えている可能性が示唆され、さらに睡眠の質の悪化により、幼児の健康に影響を与えている過程が推察された。 以上のことから、幼児期のアレルギー発症・悪化には、特に冬季室内環境における温湿度環境に注視が必要であり、特に過乾燥防止に取り組むことが重要であると考えられた。
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Research Products
(2 results)