2007 Fiscal Year Annual Research Report
開発許可制度を緩和する区域に着目した市街化調整区域の土地利用制御に関する研究
Project/Area Number |
19760423
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
松川 寿也 Nagaoka University of Technology, 工学部, 助教 (60444189)
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Keywords | 市街化調整区域 / 開発許可条例 |
Research Abstract |
本研究では、開発許可条例で指定される「開発許可制度の運用を緩和する区域(以下、条例区域)」に着目し、自治体毎に開発許可条例の運用に多様性が生じた実態と、多様化に至った物的要因(集落形態、土地利用動向など)、及び政策的背景(自治体及び地元住民からの意向)を明らかにすることを目的とする。 初年度は、自治体毎に開発許可条例の運用に多様性が生じた実態を明らかにした。ます、開発許可条例データベースの作成を行い、事務処理市町村の特定と開発許可条例の制定状況とその内容を把握した。そして、距離要件、連担要件、予定建築物等の条文上での要件に従って、各自治体の開発許可条例を類型化した。また、市街化調整区域の人口からみた開発許可条例制定の妥当正を検証した。その結果、各開発許可条例間の多様性を確認することができ、一般的に定めた旧既存宅地制度を緩和した要件や、そもそも一部要件を定めていないものが確認できた。また、緩和対象とする予定建築物にも多様性が確認され、用途地域の種類に止まらず、集合住宅に関する規定や自己用の建築物に限定する自治体も多数見られた。 次に、条文上で判断できない運用上の特性を把握するため、条例制定自治体に対してアンケー調査を実施し、区域の指定形態に加えて、農用地区域や旧既存宅地の連担集落との空間特性等を把握した。その結果、区域の指定形態にも違いがあり、開発許可条例の下でも図示に拠らず文言で指定するパターンが多数存在した。また、農振農用地との指定関係も文言排除型で運用している運用が多数確認された。 以上を踏まえて、次年度からは抽出した開発許可条例を対象とし、集落形態や開発動向といった物理的要因に加えて、県の開発許可条例に対する考え方や自治体の土地利用に関する政策などの制度的要因を明らかにする。
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