2007 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者向け優良賃貸住宅と医療・介護・福祉サービスの連携に関する研究
Project/Area Number |
19760425
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
谷 武 Toyohashi University of Technology, 工学部, 助教 (00311720)
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Keywords | 高齢者向け優良賃貸住宅 / 医療・福祉施設の併設 / 併設のメリット / 先進事例の視察 / 併設施設のスタッフの役割 / データベースの作成 |
Research Abstract |
高齢者住宅財団が所有する各高優賃のパンフレット、各高優賃の事業者や管理業者や管轄する自治体が開設しているホームページの掲載情報、実際に訪問して得られた情報などを基に、全国の高優賃に関する情報のデータベースを作成した。また、主に社会福祉法人が管理している福祉施設等が併設されている高優賃に対してアンケート調査を実施し、その実態を調査した。さらに、福祉施設等が併設されている高優賃を視察し、事業者や管理者等に対して福祉施設を併設した経緯やそのメリットについてインタビューした。以上より、高優賃と併設している施設としてはデイサービスセンターが最も多いこと、併設するメリットとしては施設のスタッフが居住者の状況を毎日チェックできるので居住者の安心感が高く、将来の加齢に伴う身体機能の低下にも対応しやすいこと、自治体からLSAが派遣されていなくても福祉施設のスタッフがその役割を果たしており、居住者の緊急時にも対応しやすいこと等が明らかになってきた。 さらに、高優賃の今後のあり方を検討するため、高齢者住宅政策の先進国であるデンマークを訪問し、高齢者住宅および各種高齢者施設等を見学した。デンマークでは、高齢者住宅の面積は補助金制度の関係で単身者向けの場合67m^2程度に設定されていることが多く、高優賃の25m^2以上という基準とはかなり差があること、日本のデイサービスセンターに類似したケアセンターやアクティビティセンターなどの施設と一緒に高齢者住宅が供給されていることが多いこと、高齢者住宅への入居には日本の要介護認定に似たニーズ判定が行われており、必要度に応じて高齢者住宅への優先入居が行われていること等の知見を得た。
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