2008 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者向け優良賃貸住宅と医療・介護・福祉サービスの連携に関する研究
Project/Area Number |
19760425
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
谷 武 Toyohashi University of Technology, 工学部, 助教 (00311720)
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Keywords | 高齢者向け優良賃貸住宅 / 医療・介護事業所 / 併設率 / デイサービスセンター / 要介護度2 / ヒアリング調査 / 高齢者専用賃貸住宅 |
Research Abstract |
既存資料やデータの分析、先進事例の視察、事業者へのヒアリングやアンケート調査の結果から、高齢者向け優良賃貸住宅と医療・介護事業所等の併設の実態について考察した。その結果、以下の知見を得た。 全国の高優賃の内、約4割で介護事業所等が併設されている。併設率は大都市よりも地方圏で高く、また事業者別に見ると、社会福祉法人の運営する高優賃では併設率が9割を超えるが、個人や住宅供給公社が運営する高優賃では併設率が低い。併設率は経年的に上昇する傾向にあり、介護サービスと連携した高齢者住宅の需要が高まってきている。 併設されている事業所としては、デイサービスセンターが最も多い。高優賃の入居者は基本的に自立高齢者なので、通所系と訪問系の介護サービスを提供する事業所の併設が多い。また、デイサービスセンターは単体で併設されるケースも少なくないが、多くの場合は複数の種類の事業所が併設される。また、数は少ないが、介護保険の特定施設の指定を受けている高優賃や、有料老人ホームの届け出を行っている高優賃も見られる。 入居者については、介護事業所等が併設されている場合でも要介護2程度までである。ただし、看護や介護の専門スタッフがおり、日常生活に対する支援サービスを提供できる場合は要介護度3以上でも対応している。 併設のメリットとしては、(1)併設するデイサービスセンターやケアハウスなどで行われているイベントやアクティビティに参加できること、(2)緊急時に併設する事業所の職員が対応できること、(3)併設する事業所の職員が生活相談や安否確認などを行っており、入居者の安心感に繋がっていること等が挙げられる。一方、デメリットとしては、事業者と入居者が親密になりすぎ、事業者が入居者から介護保険で定められた基準以上のサービスを求められてしまうケースがあることが挙げられる。また、併設している高優賃では、管理費を割高に設定しているケースが多い。
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