2009 Fiscal Year Annual Research Report
地域特性を取り入れた高齢者の地域居住継続のためのサポート環境に関する事例考察
Project/Area Number |
19760427
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
西野 達也 Kanazawa University, 環境デザイン学系, 助教 (90403584)
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Keywords | 高齢者 / 地域居住 / 共助の場 / 共在 |
Research Abstract |
本研究の目的は、実際に高齢者の地域居住をサポートしている相互扶助的な場を対象として、その実態を明らかにし、その特性と構造を考察することである。これにより高齢者の地域居住をサポートする環境の必要条件を提示したい。なお、本研究では地域住民らによる相互扶助的サポートを「共助」と呼ぶ。事例考察対象として、広島県F市T町に存在する共助の場と仮定される場所に着目した。19年度は(1)対象者の地域居住サポートの実態の把握、(2)共助の場の特性と構造の考察を行った。引き続いて20年度は、対象地域全体の共助の実態および共在の場を把握した。そして上記の事例考察対象者の生活行動とそのサポート環境を、対象者毎に施設利用日及び非利用日の時系列分析と空間的分析を行い、事例考察対象者の地域居住サポート環境のモデル化を行った。さらに、地域居住サポート環境とT町地区の地域特性との関係について考察を行った。具体的には、T町地区全体の共助と共在の場を整理し、既往研究の成果による東京都M市の共助の場と比較考察を行うことによって、T町地区の地域特性を抽出し、地域居住サポート環境との関係について考察を進めた。以上より対象地区における高齢者の地域居住をサポートする環境の必要条件を抽出した。本研究の意義は、伝統的コミュニティにおいて展開される「共助」に着目することによって、今後の超高齢社会における高齢者の地域居住をサポートする環境を構築するために有効な知見を抽出した点にある。21年度は上記研究成果を日本建築学会計画系論文集に投稿の上、掲載された。
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Research Products
(2 results)