2009 Fiscal Year Annual Research Report
戸建建売住宅・団地の持続と変容に関する研究-東京郊外とロサンゼルスを対象として-
Project/Area Number |
19760435
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
亀井 靖子 Nihon University, 生産工学部, 講師 (50386083)
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Keywords | 団地景観 / 郊外 / 維持・保存 / 宮脇檀 / 高幡鹿島台ガーデン54 / Gregory Ain / Mar Vista Tract / 建売住宅 |
Research Abstract |
本年度は東京郊外戸建住宅・団地「高幡鹿島台ガーデン54」を対象にヒアリング調査とアンケート調査を行った。ガーデン54は建築家宮脇檀により設計された54戸からなる団地で、本研究を始めるきっかけとなったロサンゼルス郊外戸建住宅・団地Mar Vista Tract(建築家Gregory Ain設計・住戸数52戸)と条件が似通っている。両団地とも分譲当時の面影を残しつつ緑豊かな団地に成長しており、ガーデン54を対象とした調査は郊外戸建住宅・団地の良好な維持保存を考える上で重要な資料を提供しうると考えた。 ヒアリング調査では分譲当時の様子をよく知る、日野市・設計担当者・事業主・分譲当時からの居住者から当時の様子や設計意図などについて伺い、分譲時のパンフレットなどの資料を得た。Mar Vistaでは、居住者の設計意図への理解が良好な団地景観の維持に貢献したと考えられたため、日本でも同様に、建築家が携わった戸建住宅地・団地を対象に調査を行った。 アンケート調査の内容は、Mar Vistaと同様、居住者の属性などの基本事項と住戸外構や居住者の団地景観に関する意識についてである。また、1994年に曽根ら(出身研究室)が同団地を対象にした調査を行っていたため、外構や団地景観への意識については曽根らの調査と比較できるような内容とした。 更に、補足調査として、宮脇檀がガーデン54を設計するに当たり参考にした郊外大規模戸建住宅地「汐見台団地(宮城県七ヶ浜町)」で簡単な観察調査と資料収集を行った。1980年に分譲が始まった汐見台団地は、ボンエルフを取りいれた初期の団地であるが、通りごとに異なった景観を形成していた。その外観の違いは、街路景観を形成している植栽桝の維持管理がそれぞれ若干違ったことによると考えられ、外構の維持管理が団地景観に与える影響を示唆するものであった。
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Research Products
(1 results)