2007 Fiscal Year Annual Research Report
既存住宅の平均寿命の推移から推測する今後の住宅ストックの動向
Project/Area Number |
19760441
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Research Institution | Kyushu Kyoritsu University |
Principal Investigator |
堤 洋樹 Kyushu Kyoritsu University, 工学部, 准教授 (00329088)
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Keywords | 住宅 / 木造 / 寿命 / 大阪 / 固定資産 / ストック / 統計 / 面積 |
Research Abstract |
本研究は、固定資産台帳の調査から得られたデータから既存住宅の平均寿命の推移を明らかにすること、その結果から今後の住宅の着工棟数及び除却棟数の推計を行うことで2030年までの住宅ストックの動向を明らかにすることを目的としている。なお、平成19年度の研究範囲は今日までの住宅に平均寿命を算出することであったが、現時点で以下の3項目の成果を得られた。 1.固定資産台帳に基づき、建物の中でも比較的規模などが均一で棟数が多い木造専用住宅の建設年別に平均寿命を算出した。2種類の平均寿命の算出手法を用いて、1950年から1975年までの平均寿命の推移と1970年から2006年までの平均寿命の推移が明確になった。平均寿命の推移から住宅の質・量の現状を把握・分析する重要な指標の一つとして活用可能である。 2.建物の滅失実態は、構造・用途等の建物属性に関する論議が中心であり、社会・経済状況の観点より論議されたものは少ない。そこで統計手法を用いて今後の住宅ストックの動向予測のための資料となる建物の滅失棟数と社会・経済状況の関係が明確になった。住宅事情の分析ばかりでなく、今後の住宅産業の動向を考察する上での一つの方向性を提示することができた。 3.木造専用住宅の延床面積と寿命の関係、特に年次別に見た延床面積と寿命の関係について分析を行った研究は少ない。そこで1951年以降に建設された木造専用住宅を対象とし、延床面積と寿命の関係について詳細に分析を行い、住宅の延床面積と寿命の関係には地域差が大きな影響を与えていることが明確になった。今後の住宅産業や住宅政策を考察する上で、重要な視点を提示することができた。
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Research Products
(3 results)