2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19760447
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
登谷 伸宏 Kyoto University, 大学院・工学研究科, 研修員 (40447909)
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Keywords | 公家町 / 維持・管理システム / 公家社会 / 修理職 / 修理 / 町方社会 / 京都 / 近世 |
Research Abstract |
(1)近世公家町の維持・管理体制に関する事例整理 近世における公家町の維持・管理体制が明らかとなる事例を文献史料(江戸幕府の記録、公家の日記、町の記録など)から抽出し、時代、内容、担当した社会集団などに即して整理した。それと同時に、公家町の空間が明らかとなる絵画史料を収集し、空間的な変遷が明らかとなるように整理した。 (2)近世修理職機構に関する考察 これまで、近世公家町の維持・管理を担った集団としては、京大工頭の中井家に注目が集まり、組織の構成や職掌について検討が進んできた。だが、中井家のほかにも公家町に所在する建物の修理や公家町の清掃などに大きな役割を果たした集団として、修理職機構の存在を指摘できる。本年度は、これまでほとんど検討対象とはなってこなかった修理職機構について考察を進め、(1)中近世移行期における修理職の変容過程、(2)近世における修理職機構の構成とその変遷、(3)朝廷内での修理職機構の位置づけ、(4)修理職機構が担った具体的な機能の一端について明らかにした。その上で、現在はこうした点を論文としてまとめている。 (3)研究支援データベースの構築 上記の研究を進める上で収集した文献・絵画史料を整理し、データとして入力した。さらに、公家町の維持・管理体制の解明に参考となる研究、たとえば中世における内裏周辺の維持・管理に関する研究や、江戸や大坂における武家地、寺社地、町人地の維持・管理体制について検討した研究から、維持・管理の具体的な内容、それを担当した社会集団などを抽出しデータとして入力した。
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