2008 Fiscal Year Annual Research Report
アンシアン・レジーム期におけるソフト・パワーとしての王権建築とその様式伝播
Project/Area Number |
19760452
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
中島 智章 Kogakuin University, 工学部, 准教授 (80348862)
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Keywords | ヴェルサイユ / ルイ14世 / バロック / 宮殿 / 庭園 / コルベール / ル・ヴォー / 軍事計画都市 |
Research Abstract |
今年度までの研究成果については、次の三つのテーマの学会発表を行った。 1) ヴェルサイユ宮殿新城館の心臓部たる国王のアパルトマンの設計手法について、その天井画の図像計画と広間の機能との関わりという観点からにする明らかにすること。 2) 近世のフランス、および、低地地方(現在のベルギーを中心とした地域)における、国境地帯の軍事計画都市とフランス中枢部における政治都市=ヴェルサイユの宮廷都市比較し、わが国の近世都市との比較文化論的研究への足がかりを見いだすこと。 3) ヴェルサイユ宮殿新城館の国王のアパルトマンの詩計過程を明らかにする上で重要な位置を占めながら、その建設過程のどの時点で書かれたのか定説が確立されていない国王付建設局長官コルボールの書簡「ヴェルサイユ宮殿 : 概論」の内容を分析し、その成立時身推定するための材料を抽出すること。 また、研究計画の2番目にある播の問題については、次の三つのテーマで『図説パリ名建築でめぐる旅』を公刊して発表した。 1) サントゥスターシュ聖堂(パリ)を例に、初期フランス・ルネサンスにおいて、イタリア・ルネサンスとゴシックがどのように融合しているのかを明らかにする。 2) ルーヴル宮殿レスコ棟を例に、どのようにしてフランス・ルネサンスが完成に至ったのかを明らかにする。 3) コレージュ・デ・キャトル・ナシオン(パリ)とルーヴル宮殿を例に、イタリア・バロック(の影響を受けたフランス建築)とフランス・バロックを比較し、その本質的違いを明らかにする。
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Research Products
(4 results)