2009 Fiscal Year Annual Research Report
20世紀初頭ドイツ、オーストリアのミュージアム建築計画に見られる伝統と近代の相克
Project/Area Number |
19760455
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Research Institution | Tokyo Polytechnic University |
Principal Investigator |
海老澤 模奈人 Tokyo Polytechnic University, 工学部, 准教授 (40410039)
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Keywords | 近代建築史 / ミュージアム / ドイツ:オーストリア / 展示 / 建築保存 |
Research Abstract |
本研究は、20世紀初頭のドイツ、オーストリアにおけるミュージアム建築計画を、その全体像と各論の両面から調査・考察するものである。最終年度の課題は、「1.1900-1910年代を中心としたミュージアム建築計画の全体像の整理(継続調査)」と「2.歴史的建造物のミュージアムへの転用事例の調査」の二点であった。 1.ミュージアム建築計画の全体像を把握するために、国内において入手可能な関連資料の取り寄せと読み込みを継続し、夏期のドイツ調査ではミュンヘン美術史中央研究所にて資料収集を補足した。また20世紀初頭に建設されたミュージアム建築の実例をハンブルク、デュッセルドルフ、シュパイヤー、バーデン・バーデンなど北・西部ドイツ諸都市に訪ね、建築を実地に観察し、写真撮影と関連資料の収集を実施した。現在は各プロジェクトについてのデータ整理と分析を継続中であり、全体像の整理に考察を加えた成果を近年中に発表したい。 2.夏のドイツ調査において、リューベック、フライブルク、ハイデルベルク、アウクスブルクに残る歴史的建造物のミュージアムへの転用事例を訪れ、実地での建築の観察と写真撮影、関連資料の収集を行った。さらに当時の雑誌記事等、各事例に関する基本資料を、ミュンヘン美術史中央研究所等で補足収集した。20世紀初頭には、歴史的建造物をミュージアムヘ転用する事例が目立つようになる。各事例を解説した当時の文章を分析すると、その根拠として歴史的建造物保護への意識や、歴史的な建築空間に対する評価が読みとれた。それと同時に資金の軽減や立地の利点といった実利面も考慮されていたことがわかった。同テーマについては、2010年度の日本建築学会大会で発表予定である。 3.前年度のテーマ、ドイツ博物館については、2009年度日本建築学会大会で学術講演した。2007年度の調査テーマ、ウィーン分離派館については、2009年10月出版の論文集『建築史攷』に論文として発表した。
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Research Products
(2 results)