2007 Fiscal Year Annual Research Report
L1_0型FePdナノ粒子の規則不規則変態及び磁気変態の透過電子顕微鏡による観察
Project/Area Number |
19760459
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 和久 Tohoku University, 金属材料研究所, 助教 (70314424)
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Keywords | L1_0型規則構造 / FePd / 合金ナノ粒子 / 規則不規則変態 / 磁気変態 / 透過電子顕微鏡法 / 電子回折 / サイズ効果 |
Research Abstract |
ナノ粒子試料の表面酸化・汚染軽減の目的で、本研究費により、排気速度350L/Sのターボ分子ポンプ(超高真空排気ユニット)を購入し、電子ビーム蒸着装置の真空度向上を図った。続いて、作製したFePd規則合金ナノ粒子の規則不規則変態を、イメージングプレートを用いて、電子回折図形加熱その場観察した。平均粒径が8-14nmの範囲の試料において、規則格子反射強度が700-800℃の温度範囲で急激に減落した。このとき、同じ合金組成の試料について比較すると、粒径低下により規則不規則変態温度が低下する傾向が見られた。しかしながら、バルク合金の場合とは異なり、規則格子反射強度の減落は必ずしも急峻では無かった。粒径分布の影響と考えられる。次に、FePdナノ粒子の規則不規則変態温度の粒径依存性を高分解能観察により調べる目的で、ナノ粒子規則構造の観察を行った。このとき、結像系に収差補正装置を搭載した高分解能電子顕微鏡により観察した。その結果、粒径6nm以上の粒子では、ナノ粒子内全面に規則格子が形成されていること、規則格子がナノ粒子周縁部(非晶質アルミナ膜との界面)まで形成されていることが判明した。また、ナノ粒子内で格子が歪んでいる粒子も観察された。一方、粒径5nm以下の粒子では、ナノ粒子内に部分的に短範囲の規則格子が形成されていた。粒径5nm以下の粒子では、不規則相粒子も観察されたことから、粒径5nm付近を境に規則不規則相変態が顕著に低下しているものと考えられる。本研究結果は、粒径約8nm以下での規則度低下、保磁力低下とよく一致している。
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