2008 Fiscal Year Annual Research Report
無機ナノシートの複合化による機能性ナノスペースを有する高次ナノ構造の構築
Project/Area Number |
19760465
|
Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
武井 貴弘 University of Yamanashi, 大学院・医学工学総合研究部, 准教授 (50324182)
|
Keywords | ナノシート / 複合化 / ナノスペース / ナノ材料 / キャパシタ / 化学修飾 / 電気泳動 |
Research Abstract |
本研究では、無機ナノシートを、種々の複合化手法を用いて、機能性ナノスペースを有する高次ナノ構造を構築することを研究目的としている。平成20年度は、金属リン酸塩ナノシートへ有機分子を複合化した有機修飾リン酸塩ナノシートから作製した複合膜のキャラクタリゼーション、およびMnの一部をV、Cr、Mn、Fe、Co、NiもしくはCuに置換したバーネサイトナノシートからのレドックスアクティブ薄膜の合成を行った。以下に詳細を説明する。 層状リン酸ジルコニウムのナノシートに有機分子を化学的に修飾して作製したナノシートコロイドを用いて、空隙率および疎水性を制御した高次構造を持つポリアニリンとの複合膜の作製に成功した。また、この膜の電気化学キャパシタ特性を評価した結果、有機分子を修飾していない場合はポリアニリン単位重量あたりおよそ200F/g程度のキャパシタンスであったのに対して、有機分子を導入した場合はおよそ350F/gと飛躍的に大きくなった。 また、Mnの一部を他の遷移金属で置換したバーネサイトの合成を検討した結果、VおよびCrは置換できなかったが、Fe、Co、NiおよびCuで置換したバーネサイトは作製可能であった。これらは置換する遷移金属の種類と量によって結晶系が菱面体晶から単斜晶もしくは六方晶へ変化することがわかった。また、これらのナノシートから電気泳動膜を作製し、その電気化学キャパシタ特性を評価したところ、CoおよびFe置換試料では置換率が0.1以下、NiおよびCu置換試料では、置換率がおよそ0.05以下で無置換試料よりもキャパシタンスが大きくなった。
|
Research Products
(5 results)