2007 Fiscal Year Annual Research Report
界面制御による高輝度蛍光体ナノ微粉末の合成とその応用
Project/Area Number |
19760468
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
堀川 高志 Osaka University, 先端科学イノベーションセンター, 特任研究員 (40423214)
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Keywords | 蛍光体 / 白色LED / 微粒子 / 希土類元素 / 水熱合成 / 酸化物 / 窒化物 |
Research Abstract |
本年度は初年度であるため、まず蛍光体微粒子の作製技術の開発・検討を行った。微粒子の合成手法として、金属の反応性の高さを利用した合金前駆体法、原料中に含まれる分子性炭素による還元法、燃焼合成法、高分子錯体法、水熱合成法などを用いた。これらのうち、水熱合成法を駆使することにより以下に示す微粒子蛍光体を得ることに成功した。 Sr(NO_3)_2、Ce(CH_3COCHCOCH_3)_2、SiO2を用い、pHを9に調整した溶媒と混合したものを出発原料とし、200℃で24時間水熱合成することによって得られた前駆体を、空気中600〜1000℃で熱処理をすることで、微粒子のSr2Sio4:Ce3+(1%)蛍光体を得られることが分かった。得られた微粒子蛍光体の蛍光特性は、1000℃で処理したものが最も高く、264nmでの励起により460nmに固相法で作製した場合よりも著しく良好な発光が見られた。本蛍光体の励起波長・発光波長は本来の目的である白色LED用途としては不適切であるものの、XRD測定の結果単一相であることが確認され、またSEM観察により粒径はおよそ80〜200nmであり、形状も比較的均一である点が注目される。また高温での還元処理が必要でないため、微粒子蛍光体の作製には適しており、現在合成条件の最適化により更なる粒径の微細化と、本手法の他の化合物系への適用を進めている。 また、Y(NO_3)_3、尿素、水、エチレングリコールを用いて180℃で水熱合成したY_20_2CO_3前駆体を、S粉末とともに密封したガラス管中で600℃で反応させることで、単一相かつ粒径が50nm程度のY_20_2S:Ti(1%)蛍光体微粒子が得られることが分かった。現在のところ、充分な蛍光特性を得るまでには至っていないが、合成条件の最適化により良好な特性をもった微粒子蛍光体が得られるものと期待できる。
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