2008 Fiscal Year Annual Research Report
界面制御による高輝度蛍光体ナノ微粉末の合成とその応用
Project/Area Number |
19760468
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
堀川 高志 Osaka University, 先端科学イノベーションセンター, 特任助教 (40423214)
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Keywords | 蛍光体 / 微粒子 / 希土類元素 / 白色LED / 窒化物 / 炭素還元法 / 酸処理 |
Research Abstract |
本年度は、前年度に引き続き、酸化物・酸窒化物・窒化物微粒子蛍光体の作製技術を最適化することを目標とし、特に過去に報告のない窒化物蛍光体について重点的に研究を行った。蛍光体の合成方法として、金属の反応性の高さを利用した合金前駆体法、原料中に含まれる分子性炭素による還元法を用い、微粒子化の手法として、出発原料の組成、粉砕等の処理方法、焼結条件等について様々な検討を行った。 得られた結果として、Sr_2Si_5N_8 : Eu^<2+>において、合成後の試料をボールミル粉砕することで200〜300nmの微粉末とすることができたが、発光強度の低下が見られ、当初の目的であったナノサイズの高特性の微粒子窒化物蛍光体粉末の合成は、現状では充分に達成できていない。しかしながら、付随する結果として, 合成後の蛍光体粉末を酸で処理(エッチング)することにより、粉末表面の欠陥が除去され滑らかになるため、蛍光体の発光強度が増加することが確認された。一般的に窒化物蛍光体は酸に対して安定であるので、この手法は適用範囲が広い技術である。また、還元法による蛍光体の合成では、微粒子ではないものの、C_3H_6N_6を還元剤として用いることで、不純物濃度が低く良好な発光を示す蛍光体(Sr_2Si_5N_8 : Eu^<2+>等)が得られ、今後の研究の展開において示唆に富む結果が得られた。 作製した蛍光体のLEDとのパッケージ方法についての最適化は、微粒子蛍光体の作製が当初の予定どおりに進まず、充分な検討を行うことができなかったため、高特性の微粒子窒化物蛍光体粉末の合成と併せ、引き続き研究を行っていきたいと考えている。
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