2007 Fiscal Year Annual Research Report
ビスマス層状構造強誘電体を用いた非鉛セラミックレゾネータの実用化に関する開発研究
Project/Area Number |
19760470
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
永田 肇 Tokyo University of Science, 理工学部, 助教 (70339117)
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Keywords | セラミックレゾネータ / 非鉛 / ビスマス層状構造強誘電体 / 発振安定性 / 機械的品質係数 / 共振周波数温度係数 / キュリー点 / 酸素欠陥 |
Research Abstract |
本研究は、セラミックレゾネータ応用に求められる性能を十分に満足する材料を、環境にやさしい非鉛系ビスマス層状構造強誘電体(BLSF)セラミックスを用いて開発しようとするものである。レゾネータの発振安定性や高い発振周波数精度、さらには温度安定性や高周波化を実現するために、A.共振周波数の低温度係数化(低TCF化)、B.さらなる高機械品質係数化(高Q_m化)、C.発振周波数の高周波化(デバイスの薄層化)とそれに伴う問題点の解決が挙げられる。これらの目標に対し、昨年は、様々なBLSFセラミックスを作製し、BLSF特有の結晶構造や欠陥構造に起因する特性変化を調査してきた。TCFの低下には結晶粒制御が有効であることが明らかになり、このとき、結晶方位による弾性定数sに変化が見られ、sが小さい振動モードにおいて小さなTCFを示すことがわかった。一方、同一材料ではそのTCFとsに相関が見られたが、様々な材料の同一振動モードのsとTCFを比較すると、それらの相関は見られなかった。この原因には相転移温度や欠陥濃度、線膨張係数などのパラメータが複雑に関連していることが示唆された。また、キュリー点T_cの高いCaBi_2Ta_2O_9セラミックスを用いて、高Q_m化を視野に入れた欠陥制御(酸素欠陥の低減)を目指した。その結果、Vイオンの添加により、D-Eヒステリシスループに改善が見られ、酸素欠陥の低減が示唆された。今年度はこれらの結果をさらに発展させ、新たな材料開発の指針を得、非鉛系レゾネータ材料の開発を目的とする。
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Research Products
(12 results)