2008 Fiscal Year Annual Research Report
Mn-貴金属系スピントロニクス材料の相安定性と磁気特性
Project/Area Number |
19760482
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
梅津 理恵 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 助教 (60422086)
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Keywords | Mn系合金 / 状態図 / スピントロニクス材料 / 永久磁石 |
Research Abstract |
本年度はMn-PdおよびMn-Ga二元系合金の状態図を決定するとともに、得られたMn-Ga合金状態図の情報をもとに、機能性材料の探索を行うことを目的として研究を行った。 MnPd合金については、α-Mn相やβ-Mn相が従来の報告よりも狭い組成領域で存在していることが判った。また、MnPd等比組成領域ではL1_0型構造からB2構造ヘマルテンサイト変態をするが、詳細なDSC測定より、2段階で変態を生じていることを示唆する結果が得られた。本研究で明らかになった二元系状態図は、2009年秋季金属学会にて発表を行うことを予定している。 Mn-Ga合金は、a-Ga_5Mn_8相γ-相,ε-相,δ-相,L1_0相等の存在領域が明らかになるとともに、それらの相と相の間の2相領域が決定できた。L1_0相は異方性の高い強磁性体であることが知られていることから、組織制御を行うことでMnAl磁石のような磁気特性を有する材料開発の可能性が考えられる。 γ-Mn相を安定化させる第三元素としてCuを置換したMn-Ga-Cu合金を作製し、低温時効した試料において室温で保磁力が約9kOe,キュリー温度約760Kと現行の永久磁石に匹敵する磁気特性が得られた。時効前後の試料の組織観察結果より、常磁性を示す準安定相中に強磁性安定相が微細に析出したことに起因していると考えられる。組成分析、構造解析を行うとともに、現在、特許出願の準備を行っている。
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Research Products
(10 results)