2008 Fiscal Year Annual Research Report
コンクリート材料の衝撃応答ダイナミクスおよび衝撃破壊プロセスの解明
Project/Area Number |
19760487
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
川合 伸明 Tokyo Institute of Technology, 応用セラミックス研究所, 研究員 (60431988)
|
Keywords | 衝撃破壊 / 衝撃応答 / コンクリート / 衝撃強度 / 高速衝突 |
Research Abstract |
本研究課題では、最も基本的な構造材料であるコンクリートに関して、高強度な衝撃に対する衝撃応答特性、衝撃破壊プロセスを明らかにし、状態方程式及び動的構成則を構築することを目標としている。 平成20年度では前年度で構築された計測システムを使用し、衝撃荷重を変化させながら、異なる静的圧縮強度のコンクリート材料に対して、衝撃応力の時間・空間変化の直接測定を行った。その結果、衝撃荷重下では静的荷重状態と比較して、圧縮強度では5倍、せん断強度では4倍以上となることが分かり、コンクリート強度が大きな歪速度依存性を持つことが明らかとなった。また、圧力の増加に伴い最大せん断強度が増加することも明らかとなった。 本年度では、コンクリート柱部材への高速衝突破壊実験も行い、衝撃破壊性状の観察を行った。構造体の衝撃破壊においては、材料特性に加えて構造体の形状や拘束条件が終局的な破壊に大きく関与することが考えられため、柱内部の鉄筋の配置状況・部材拘束条件・柱軸応力の大きさ、などの構造的因子が衝撃破壊性状に与える影響を調べた。その結果、衝突損傷量は衝突物の運動量が強く影響していることや、鉄筋や柱軸力による拘束効果は、衝突面の損傷量には影響を与えないが、損傷面からの構造体内部への破壊進展の抑制に大きな効果があることなどが明らかになった。 本研究により、コンクリートの衝撃挙動を記述する動的構成則の基礎となる、コンクリートの衝撃強度挙動と衝撃圧縮挙動を明らかにしたと同時に、コンクリート構造体の高速衝突に対するする基礎的な破壊性状を明らかにすることができた。
|
Research Products
(6 results)