2009 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ・マイクロ領域における動的応力診断ツールを目指した応力発光微粒子の研究
Project/Area Number |
19760499
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
寺崎 正 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 生産計測技術研究センター, 研究員 (00399510)
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Keywords | ナノ材料 / 走査プローブ顕微鏡 |
Research Abstract |
本研究では、応力発光ナノ粒子の1粒を、ナノ領域・マイクロ領域に潜む応力分布を見抜く為のプローブとすることを、目的としている。これまで、平成19年度には、単一粒子からの応力発光を評価する為のシステムとして、微弱光検出器を装備したAFMシステムの開発を行い、完成さらた。更に、平成20年度には、本開発のシステムを用いることで、先ずは、最も発光輝度の高い応力発光ナノ粒子(SrAl_2O_4:Eu:SAOE)からの応力発光検出に成功し、更にその発光強度が印加応力に依存することを、世界で初めて明らかにりた。 それを受けて、21年度は、単一粒子の応力発光に関するデータベースに向けて、1上記以外の粒子、更に2凝集系おけるナノ粒子の応力発特性について、検討した。 1. 緑色応力発光マイクロ粒子Ca_2MgSi_2O_7:Eu,Dy(CMSED)からの発光 SAOEとは異なる緑色応力発光マイクロ粒子を用いて、単一粒子の発光特性評価を行った所、発光輝度の高いSAOE程鮮明ではないものの、印加信号に対応した発光信号を得ることに成功した。このことは、SAOEに限らず、本開発の評価システムが、単一粒子の応力発光特性評価とDB作製に有用であることを示唆している。 2. 凝集系における単一粒子からの発光 凝集系での応力発光特性として、ナノ粒子が3~4粒子凝集した状況をAFM像から選別し、その中の1つの粒子に関して、応力発光特性評価を行ったところ、分散系と同様の応力発光を得た。更に、分散系と同様に、印加応力に応じて発光強度も増加する事を見出した。この事は、発光輝度を克服するために、凝集した状況で使用することが可能と示唆している。更に、高分子中のSAOEマイクロ粒子に関しては、非破壊・非侵襲の超音波刺激で発光することを確認している。このことは、将来、超音波が診断の際、有用な刺激となり得ることを示唆している。
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Research Products
(7 results)