2007 Fiscal Year Annual Research Report
3次元粒子アセンブルによるテラヘルツ波フォトニック結晶デバイスの創製
Project/Area Number |
19760501
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高木 健太 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 助教 (00400284)
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Keywords | 単分散球形粒子 / 粒子配列 / レーザマイクロ溶接 / フォトニック結晶 / テラヘルツ波 / 熱電 |
Research Abstract |
球形マイクロ粒子配列による3次元テラヘルツ波フォトニック結晶作製を目指し,本年度は,当該配列技術の核となる微粒子高精度レーザ接合技術の確立を目的とした.レーザマイクロ接合においては,レーザによる球形粒子への熱量供給および,その後の微小時間内の熱伝達が重要となる.まず,対向2球面におけるレーザ光路の幾何学計算式を導出し,レーザ吸収量を解析したところ,その値はレーザ多重反射のために材料の固有吸収率に係らずおおよそ照射熱量と等しくなること,また,入射座標ズレに大きく影響されることが分かった.この知見に基づき,様々な材料の粒子に対して1次元配列を行った.その結果,熱拡散が大きい(高熱伝導率粒子)場合には,接合と同時に熱が粒子全体に拡散して粒子を大きく変形させ,高精度配列を困難にした.さらに,大きな熱拡散は配列規模拡大に伴い非対称温度分布を生み出し,常時の接合を困難にさせる.この実験結果は有限要素法解析結果によっても定量的に実証できた.つまり,目的の3次元高精度配列には熱拡散抑制が極めて重要であることが分かった.この知見に従い,熱拡散抑制が可能な低熱伝導率材料(Bi合金およびポリエチレン)粒子を作製し,これを用いたダイヤモンド構造人工結晶の作製を試みた.レーザ入射座標は粒子とtの干渉を考慮して3D-CADを用いて予め最適化した.この結果,熱伝導率がやや高めのBi合金では非対称熱拡散による接合不良から結晶の崩壊が起きたため,大規模結晶作製には至らなかった.しかし,熱伝導率の十分に低いポリエチレンでは,フォトニック結晶として利用可能な周期数をもつ大規模配列体作製することができた.
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