2008 Fiscal Year Annual Research Report
3次元粒子アセンブルによるテラヘルツ波フォトニック結晶デバイスの創製
Project/Area Number |
19760501
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高木 健太 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 助教 (00400284)
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Keywords | 単分散球形粒子 / 粒子配列 / レーザマイクロ溶接 / フォトニック結晶 / テラヘルツ波 |
Research Abstract |
フォトニック結晶はテラヘルツ波制御技術の未発達を一挙に解決し得る概念であり、その作製技術の確立が達成の鍵を握る。本研究はテラヘルツ波波長に相当する粒径の球形単分散粒子をマニピュレータと粒子間レーザマイクロ溶接により3次元配列する技術を確立し、これによる3次元テラヘルツフォトニック結晶の実現を目的とした。昨年度の知見に基づき、本年度は粒子材料としてレーザマイクロ溶接に優位と考えられるポリエチレン/ジルコニア複合材料を用いた。複合材料の組成は完全バンドギャップ発現条件を満たす誘電率となるように予め設計した。溶接レーザの照射条件を最適化することにより、粒子を局所的に溶解でき、球形を変形させることなく複数粒子の同時接合が可能となった。最終的に、最適化されたプロセスパラメータを用いることで、従来の配列手法では不可能であったダイヤモンド格子から成る3次元周期構造体の大規模作製に成功した。作製過程における粒子の脱落や変形などはなく、理想に近いダイヤモンド人工結晶と言える。得られた人工結晶の<111>方向透過スペクトルを、テラヘルツ時間領域分光法を用いて測定したところ、0.25THz近傍に透過率の著しい減衰が見られた。これは平面波展開法から得られたフォトニックバンドギャップの理論周波数に非常に良く一致していた。また、理論上では完全バンドギャップを有することから、作製した結晶も完全バンドギャップを有すると推測された。このような人工結晶内部に、予め設計された点欠陥や線欠陥を導入することによりテラヘルツ導波路や共振器などのデバイスの創製が可能となる。とりわけ、本作製方法は従来の3次元加工手法とは異なり、結晶内部に異種材料粒子の埋め込みが可能であることから、発振素子の埋め込みができればフォトニック結晶の究極の応用となるテラヘルツレーザを実現できると考えられる。
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