2007 Fiscal Year Annual Research Report
超高強度レーザー場による新規分子変換法と超微粒子の創製
Project/Area Number |
19760503
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中村 貴宏 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 助教 (50400429)
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Keywords | 高強度レーザー / 超微粒子 / ナノ材料 |
Research Abstract |
本研究では,フェムトパルスレーザー光を液体中に強く集光することで発生する高密度プラズマが物質に与える影響とその後の冷却過程による超高速な非平衡物質創生プロセスの詳細について検討するとともに,同手法を材料作製手法に応用し液体中から直接固体材料を作製するための基礎を確立することを目的とし研究を行った.液体中にフェムト秒レーザーパルスを集光する際に起こる反応メカニズムについて,フェムト秒パルス光の時間分光測定を行うことにより解明を試みたが,現行のシステムでは焦点付近から大量に生じるガスのため精度よい測定が行えないことがわかった.これについては実験系の改良も踏まえ現在検討を行っている.反応メカニズムの解明のための別のアプローチとして,種々炭化水素化合物液体を対象としたレーザー照射についても試みた結果,対象炭化水素化合物の分子構造の違いにより反応生成物が異なることが明らかとなった.すなわち,ベンゼンやシクロヘキサンなどの環状炭化水素化合物はレーザー照射により,水素ガスやダイヤモンド様炭素が形成されたが,ヘキサンなど直鎖の炭化水素化合物はより炭素数の少ない炭化水素化合物分子に解離されそれ以上の分解が進行しなかった.これについてより詳細に検討を行うため,レーザー光の強度ならびに偏光を制御し実験を行う予定である. 一方,同手法を無機金属水溶液に応用することで各種金属超微粒子を生成できることも明らかにし,水溶液の濃度調整ならびに分散剤添加などにより粒径が約2nm程度で単分散の金超微粒子の作製にも成功した(T. Nakamura, Y. Mochidzuki, and S. Sato, J. Mater. Res., 23,968(2008).).同手法は通常,合成が困難とされるような合金の微粒子作製にも適用可能であると考えており,各種混合溶液を対象としたレーザー照射実験を行う予定である.
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