2007 Fiscal Year Annual Research Report
水系スラリーを用いたクロスフローEPDによる環境低負荷型セラミックスコーティング
Project/Area Number |
19760505
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
森 隆昌 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 助教 (20345929)
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Keywords | 水系スラリー / セラミックスコーティング / 電気泳動成形(EPD) / クロスフローEPD / クラック抑制 |
Research Abstract |
シリカ粒子(平均粒子径20nm)を用いて,水系でスラリー調製を行い,ステンレス基板へのコーティングを行った.水中にシリカ粒子を種々の濃度で調製して,超音波ホモジナイザーで分散処理を行い,コーティング槽内に満たした後に,ステンレス基板を入れて固定し,直流電源につないだ.所定の電圧を印可してEPDを行い,得られたコーティング膜の重量を電子天秤で測定した.シリカ粒子は通常は水中で負に帯電するため,そのままでは陽極に析出することになり,電極となる金属が溶出してしまい(錆の発生),均質なコーティングは得られなかった.そこで,カチオン性界面活性剤であるポリエチレンイミンを分散剤として用いてスラリー調製することによって,シリカ粒子を陰極に析出させた.その結果電極反応によるコーティング膜上への錆の発生を抑制できた.しかしながら,乾燥後にはクラックが発生し,コーティング膜が剥離してしまった.そこで結合剤としてポリビニルアルコールを添加してスラリー調製を行い,コーティングした結果,クラックのない膜が得られた.現在のところ,粒子濃度が1vol%より低い条件で,ポリエチレンイミン,ポリビニルアルコールを添加し,さらに溶液のpHを中性付近にしたところで最もよいコーティングが得られることがわかった.特にスラリーを一定速度で循環させながらEPDを行った場合に、均質で割れや剥がれのない、比較的膜圧の薄いコーティングが得られた。今後は得られたコーティング膜を基板ごと熱処理し、膜の密着性の評価を行い、実際の使用に耐えられるような特性を発現できるように、コーティング条件を最適化していく予定である。
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Research Products
(2 results)