2008 Fiscal Year Annual Research Report
水系スラリーを用いたクロスフローEPDによる環境低負荷型セラミックスコーティング
Project/Area Number |
19760505
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
森 隆昌 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 助教 (20345929)
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Keywords | セラミックスコーティング / 電気泳動成形 / クロスフローEPD |
Research Abstract |
近年めっきに用いられる重金属イオンの環境への悪影響という懸念から, 金属めっきに代わる技術としてセラミックスコーティングが注目されてきた. その中でも電気泳動堆積法(Electrophoretic Deposition, 以下EPDと略す) を用いてセラミックス微粒子を金属にコーティングする技術は, 原理が単純で装置が比較的簡単な構造ですむことや, 非常に複雑な形状の金属部品等にセラミックスをコーティングする場合でも, 均一に電界をかけることができれば, 電極の形状によらず一定厚みのコーティングを行うことができること, あるいは比較的コストがかからないプロセスであることなど多くの利点があり, 実用化が期待されている技術である. 現在EPDを用いたセラミックスコーティングに関する研究の大部分が, 微粒子の分散の容易さ, あるいは乾燥速度の点から分散媒に有機溶媒を用いているが, これは環境負荷が大きいことや, 作業環境の安全性の点から, 最近では分散媒に水を用いたEPDについても研究報告が増加しつつある. しかしながら水系のEPDでは, 粒子の分散状態を制御することや乾燥時のコーティング膜の剥がれを抑制することなど, 解決しなければならない課題が多い. そこで本研究では, 水系のEPDプロセスにおいて, 乾燥時の膜の剥がれやクラック発生を抑制し, 均一で緻密なコーティング膜を金属板上に作製することを目的として, スラリーの調製条件及びコーティング方法の工夫を検討した. スラリーを循環させながら電気泳動を行うことで、粒子の分散状態を保持すること、及び密着性の弱い粒子をコーティング面から排除することを可能とし、これまでよりも密着性の強い、比較的均質なセラミックスコーティング膜を水系スラリーから作製することができた。
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Research Products
(2 results)