2009 Fiscal Year Annual Research Report
自己修復作用を有した次世代型高耐食性ナノ微粒子複合電析
Project/Area Number |
19760510
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大上 悟 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 助教 (90264085)
|
Keywords | バナジウム / Zn-V / 複合電析物 |
Research Abstract |
Znめっさ鋼板の化成処理膜として従来は6価クロメート処理が行われていたが,EUにするRoHS指令により,ヨーロッパ圏での使用が禁止され,世界でもその流れが起きている。Cr以外にも多価酸化状態を脊する元素は多数有り,研究者はVに注目した。研究者は化成処理ではなくZnめっき皮膜中にV化合物を分散共析することによる新しい防食処理法の開発を目的とした。 本年度は,V元素の析出メカニズムを解明するため,pH滴定を行った。Znのみ.VのみZn+V混合浴においてそれぞれNaOHを滴定した。Znのみの場合,滴定曲線図でpH6.3のところで上昇が一時停止し,その後急上昇した。pH上昇時のNaOHの添加量の関係は理論と一致した。同様にVのみについても,滴定を行ったところ,電位-pH図で計算したpHで一時停止した。Zn-V混合浴についてpH滴定を行ったところ,ZnのみとVのみを重ねたものとなった。念のため,代表的なpHとなった時に懸濁した溶液を一定量分取し,遠心分離器で水酸化物を分離した上澄みをICPで定量分析した結果,ZnとVの水酸化物は独立して沈殿していることがわかった。 得られた電析物も耐食性を評価するため,走査電位法による分極曲線の測定を行った。得られた分極曲線から腐食電位と腐食電流を評価したところ,電析物中のV含有率が5%程度のときに,腐食電流の極小値があった。
|