2008 Fiscal Year Annual Research Report
自動車ボディパネル用アルミニウム合金板の集合組織形成機構とリジング発生機構の解明
Project/Area Number |
19760511
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
池田 賢一 Kyushu University, 大学院・総合理工学研究院, 助教 (20335996)
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Keywords | 集合組織 / 再結晶 / 自動車用材料 / 結晶方位解析 / リジング |
Research Abstract |
地球環境問題を考える上で、自動車の車体軽量化のためにボディパネルにアルミニウム合金を使用することが望まれている。中でもAl-Mg-Si系合金は、中強度で成形性に優れるという観点からボディパネル材への適用が期待されている材料である。しかし、Al-Mg-Si系合金には、成形加工時にリジングと呼ばれる筋状の凹凸が圧延方向に発生するため、アウターボディパネルに用いる際の障害となっている。リジングの発生には集合組織に密接に関係することが知られているが、詳細は不明な点が多い。そこで本研究では、Al-Mg-Si系合金のリジングの発生と加工熱処理工程の関係を、集合組織形成に着目して明らかにし、リジングの効果的な抑制技術への提案を行うことを目的として研究を行っている。 昨年度、リジングが発生する要因として加工熱処理工程中に形成する立方体方位粒にあること、その分布が圧延方向にバンド状になることが明らかになった。そこで、本年度はこのような立方体方位粒の形成起源を特定するために各工程後の結晶方位分布状態を詳細に解析した。また、その場加熱結晶方位解析を行うことにより、立方体方位粒の成長過程を動的に捉えた。 その結果、熱間圧延終了温度が異なる2種類の試料において、その温度が高いほど立方体方位粒の存在頻度が高くなり、冷間圧延後にも残存することが明らかになった。また、その場加熱結晶方位解析を行った結果、熱間圧延板に形成される立方体方位粒は他方位を有する結晶粒よりも成長が高速であることが明らかになった。 以上の結果より、Al-Mg-Si系合金のリジング発生を抑制するためには、加工熱処理工程中に生成する立方体方位粒を抑制することが重要であり、熱間圧延温度を低くすることにより、立方体方位粒の発生を抑えることが直接的に効果が得られることが明らかになった。
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