2007 Fiscal Year Annual Research Report
フェムト秒レーザーによる材料表面への複合微細構造形成
Project/Area Number |
19760516
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
本田 博史 National Institute for Materials Science, 新構造材料センター, 研究員 (10302390)
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Keywords | フェムト秒レーザー / レーザー加工 / レーザーアブレーション / 周期的微細構造 |
Research Abstract |
フェムト秒レーザーをアブレーションしきい値近傍のフルーエンスで照射することにより、レーザー波長よりも短い周期を有した微細な凹凸構造などが形成される。そのため、そのような構造に基づく新たな機能を各種材料表面に付与できる加工として期待されている。その機能を評価し実用化するためにはそのような構造を大面積に作成する必要があり、その加工条件を明らかにすることを目指し、ここでは材料としてステンレス、チタン、アルミニウムを用い加工を行った。鏡面研磨した材料表面に垂直にレーザー光を入射させて集光し、まずスポット状の加工を行った。照射フルーエンスおよび照射レーザーパルス数を変えて、微細構造が形成される加工条件を調べた。次に、その集光点を材料表面に沿って走査することにより微細構造を線状の領域に連続的に形成することを、照射フルーエンスおよび走査速度を変えて試みた。 その結果、スポット状の加工において、どの材料に対してもアブレーションしきい値近傍のフルーエンスで、レーザー波長より短い周期を有し、レーザー光の電場の偏光方向に対し垂直な方向の縞状の周期的微細構造が形成されることが確認された。フルーエンスが低下するに従い、その構造形成にはさらに多くのパルス照射が必要であった。アルミニウムにおいてはその構造形成に適したフルーエンス領域が他の材料と比べ狭かった。また、それらのフルーエンス領域において適当な走査速度でレーザー光を走査することにより、どの材料に対してもその周期的微細構造を線状の領域に形成することができた。
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