2008 Fiscal Year Annual Research Report
マルチモールド連鋳による異種材料から成る複合ロータス金属の創製
Project/Area Number |
19760521
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鈴木 進補 Osaka University, 産業科学研究所, 准教授 (10437345)
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Keywords | ポーラス金属 / 連続鋳造法 / 水素ガス / アルミニウム合金 / 溶融接合 / 凝固 / デンドライト / 共晶合金 |
Research Abstract |
加圧ガス雰囲気甲で金属を一方向凝固させることにより一方向に並んだ円柱状気孔を有するロータス金属の作製が可能である。本研究課題では, この原理を各種ロータスアルミニウム合金の作製に応用する場合に凝固組織が気孔形成に与える影響を明らかにすることを第一の目的とし, これらの知見を基にして表層部と内部で異なる組成及び気孔形態を有する複合ロータスアルミニウム合金を創製することを第二の目的としている。 本年度は, 水素雰囲気中で連続鋳造法によりロータスAl-Cu合金の作製を行った。気孔は引出方向に平行に成長した初晶αデンドライトに囲まれた共晶相領域に形成し, デンドライトの成長に沿って一方向に成長しており, 気孔率、気孔径はCu濃度の増加に従って増加した。平均気孔径は平均デンドライトー次枝間隔より数十μm小さく, いずれも引出速度の減少に従い増加した。これらの結果から, 亜共晶Al-Cu合金が凝固する際に主に共晶相から共晶界面に排出された水素ガスが気孔生成に寄与していることが明らかとなった。また, 減圧Ar雰囲気でAl-Si溶湯にCa(OH)_2ペレットを添加し, 溶湯の熱によりCa(OH)2から分解, 生成した水素を利用して連続鋳造法によりロータスAl-Si合金の作製を行い, 気孔生成メカニズムを明らかにした。 これらの代表的な共晶系アルミニウム合金における凝固組織と気孔形成の関係を明らかにすることにより得られた知見は, 新たな軽量構造材料の創製プロセスを構築するための基礎となるとともに, 他の共晶系合金を用いたロータス金属の作製を行う場合にも応用することができる。 次年度は、これらの知見を内型・外型から成る鋳型を有する連続鋳造法に応用し、複合ロータスアルミニウム合金の創製を行う。
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Research Products
(11 results)