2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19760528
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
金田 昌之 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 助教 (50346855)
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Keywords | 外部磁場 / 高分子溶液滴 / 温度差対流 / 濃度差対流 / 移動現象 / 化学工学 |
Research Abstract |
基板上に滴下された微小高分子溶液滴の成膜後の形状は,蒸発過程で生じる液滴内部の流動の影響を受ける.この流動を外力場により制御することで薄膜形状を制御できると考え,内部流動におよぼす外部磁場印加効果について検討した. まず,半球形容器内部で生じる温度差依存の自然対流におよぼす磁場の影響について数値解析コードを開発し,流動について検討した.その結果,印加磁場が自然対流を加速することが明らかとなった.次に,表面張力を考慮することで,液滴を対象とした解析コードに改良した.その際,無次元化手法から改良したうえで,磁場印加効果について検討した.その結果,印加磁場強度ならびに磁極と液滴の距離が影響をおよぼすことを明らかにした.通常,液滴内部では密度差対流と表面張力差対流が重畳し,その寄与は液滴の大きさならびに物性値によって決定される.しかし磁場を印加することにより,上記の対流を促進または抑制できることが明らかとなった. 以上は温度差依存の対流に着目したものであるが,実際の高分子溶液滴では溶質の影響も考えられる.そこで溶質濃度差に依存する液滴内部の自然対流に関する数値的検討を行った.その結果,磁場を印加しない場合,濃度差が駆動する流動は温度差依存の対流よりも強く,無視できないことが明らかとなった.これは,蒸発に伴う液滴表面の溶質収支が物性値に影響をおよぼすためである.蒸発に伴う溶液粘度の影響は流動にはさほど影響しないこともわかった.さらに,溶媒の蒸発速度が溶質濃度に依存しないとすれば,液滴の初期溶質濃度が流動に顕著に影響を及ぼすことがわかった.
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