2007 Fiscal Year Annual Research Report
キレートアフィニティーを利用した食品バイオマスからのペプチド分離・回収法の開発
Project/Area Number |
19760529
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
大島 達也 University of Miyazaki, 工学部, 准教授 (00343335)
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Keywords | キレートアフィニティー / IMAC / ペプチド / 分離 / 回収 / キレート樹脂 / イオン交換 / 食品バイオマス |
Research Abstract |
食品バイオマスからアンセリン・カルノシンを吸着回収する手段としての金属担持樹脂の有効性についてより詳しい知見を得るための各種試験を行った。銅(II)、ニッケル(II)、コバルト(II)、亜鉛(II)をイミノ二酢酸(IDA)樹脂に固定化した各遷移金属担持樹脂を調製し、これらによる塩分を含む液からのアンセリン・カルノシンおよびその他のアミノ酸の吸着について比較した。これらの金属担持樹脂は異なるアミノ酸・ペプチドへの吸着選択性を示すことが期待されたが、実験の結果、カルノシン類との結合が最も強い銅(II)担持樹脂だけが塩分の妨害を受けずにカルノシン類を吸着回収できることが示された。カルノシン類の回収に最も有効な銅(II)担持樹脂を充填したカラムを用いて、工業的なカルノシン類の回収・濃縮を想定した連続回収を検討した。適切な送液条件でカルノシン含有液を通液することにより、カラム層体積の370倍の溶液を送りカラムが破過に達するまでカルノシンを完全に回収できることが示された。また、カルノシンが吸着されたカラムに溶離剤として酢酸水溶液を通液することで95%のカルノシンを脱着できることを示した。この条件で回収されたカルノシンは原料液の約20倍に濃縮されていた。これらの結果から、銅(II)担持樹脂を充填したカラムを用いて、カルノシン類を連続的に回収・濃縮できることが示された。 他方、チオ尿素系のキレート樹脂に銀(I)イオンを吸着固定化した樹脂を調製し、各種アミノ酸の吸着について検討した。数種のアミノ酸混合溶液に対する銀(I)担持樹脂の吸着特性を調べた結果、硫黄を有するメチオニン、芳香環を有するチロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、イミダゾール基を有するヒスチジンが他のアミノ酸から選択的に吸着されることが示された。
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Research Products
(2 results)