2007 Fiscal Year Annual Research Report
酸点分布を制御したZSM-5ゼオライトのナノ結晶によるプロピレン選択合成
Project/Area Number |
19760531
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
多湖 輝興 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 准教授 (20304743)
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Keywords | 界面活性剤 / ゼオライト / ZSM-5 / ナノクリスタル / オレフィン / プロピレン / 外表面酸点 |
Research Abstract |
本研究では、バイオマスから得られるアセトンからプロピレンを選択的合成する触媒の開発を実施している。触媒にはゼオライトの一種であるZSM-5を使用した。申請者が開発した、水/界面活性剤/有機溶媒溶液を反応場としたゼオライトナノクリスタル合成法により、結晶サイズが約50nm〜70nmのZSM-5ゼオライトナノクリスタルの合成に成功した。その際、界面活性剤濃度とゼオライト原料濃度と結晶サイズの関係を検討したところ、界面活性剤によるゼオライト結晶前駆体の安定化効果が示唆された。 結晶サイズが1マイクロメートルのマイクロサイズゼオライトと50nmのナノサイズゼオライトを用いて、アセトンからのオレフィン選択合成実験を行った。その結果、ナノサイズゼオライトはマイクロサイズゼオライトと比較し、高活性であると同時に、コーキングによる活性劣化が抑制されることを明らかにした。しかし、結晶外表面酸点上での反応により、芳香族が多く生成した。 芳香族の生成抑制、およびコーキング抑制を目的として、ZSM-5ゼオライト結晶の外表面酸点の不活性化を検討した。ZSM-5ゼオライト結晶の細孔径(約0.6nm)より分子サイズが大きいフェニルシラン系化合物を結晶外表面酸点に吸着させ、シリカを生成させることにより、結晶外表面酸点の選択的不活性化処理を実施した。ゼオライトの細孔径、細孔容積の解析、および酸点量の分析から、ジフェニルシランを用いることにより、ZSM-5ゼオライトの結晶外表面とその近傍の酸点を選択的に不活性化できることを明らかにした。外表面酸点を不活性化したZSM-5ゼオライトナノクリスタルを触媒に用いることにより、プロピレンの選択性を大きく向上させることに成功した。
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Research Products
(6 results)