2008 Fiscal Year Annual Research Report
酸点分布を制御したZSM-5ゼオライトのナノ結晶によるプロピレン選択合成
Project/Area Number |
19760531
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
多湖 輝興 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 准教授 (20304743)
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Keywords | ナノサイズゼオライト / ZSM-5ゼオライト / 酸点不活性化 / フェニルシラン系化合物 / 低級オレフィン / プロピレン / イソブテン |
Research Abstract |
本研究では, フェノール合成プロセスで副製するアセトン, あるいはバイオマスから合成されるアセトンからプロピレンを選択的合成する触媒の開発を実施している. 触媒にはゼオライトの一種であるZSM-5を使用した. 申請者が開発した, 水/界面活性剤/有機溶媒溶液を反応場としたゼオライトナノクリスタル合成法により, 結晶サイズが約50nm〜70nmのZSM-5ゼオライトナノクリスタルを合成した. その際, これまでシリカ源として使用してきた高価な金属アルコキシドを, 安価なシリカゾルに変更した. シリカゾルを原料に用いても, 界面活性剤濃度によって結晶サイズの制御が可能であることを明らかにした. 芳香族の生成抑制, およびコーキング抑制を目的として, ZSM-5ゼオライト結晶の酸点の不活性化処理を検討した. ZSM-5ゼオライト結晶の細孔径(約0.6nm)より分子サイズが大きいジフェニルシラン(DPS), および結晶細孔径と同程度のモノフェニルシラン(MPS)を使用した. DPSを使用すると結晶外表面酸点を選択的に不活性化することが可能となり, 一方, MPSを使用すると結晶外表面と結晶内クロスセクション上の酸点を不活性化することに成功した. DPSによって外表面酸点を不活性化したZSM-5ゼオライトナノクリスタルを触媒に用いることにより、プロピレンの選択性を大きく向上させることに成功した。さらに, MPSによって結晶内部の酸点を不活性化したZSM-5を触媒に用いた場合では, イソブテンの選択性を向上させることに成功した. 以上の結果より, ナノサイズのZSM-5ゼオイライトの酸点分布を制御することにより, アセトンからの低級オレフィンの選択適合性が可能であることを明らかにした.
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Research Products
(5 results)