2007 Fiscal Year Annual Research Report
高温高圧水中でのフェノールを分子触媒とした高速脱水反応機構と分子触媒能の評価
Project/Area Number |
19760533
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
佐藤 剛史 Utsunomiya University, 工学研究科, 助教 (60375524)
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Keywords | 脱水反応 / フェノール / 高温高圧水 / アルコール / 分子触媒 |
Research Abstract |
ファインケミカル合成等において重要な脱水反応について、フェノールを分子触媒とした高温高圧水中での高速脱水反応を導入することで、従来の強酸触媒を用いる方法によりも環境負荷を低減させる目的にて研究を行った。 本年度は、反応評価に必要な高速脱水反応装置の開発を行った。本装置は、試料供給部、反応部、冷却部、気液分離部から構成される。高圧ポンプにて、蒸留水を予熱路を通した配管にて予熱して反応器に供給した。フェノールのアルコール溶液は、別のラインから高圧ポンプにて供給する。これらを混合し急速昇温させ反応を開始した。反応器は仮の1ccのものとした。反応器通過後、反応器出口にて直接・間接冷却により急速冷却を行い、反応を停止させた。背圧弁にて減圧後、反応物を回収し、分析した。 予備実験として、フェノールの2-ブタノールおよびtert-ブタノール溶液を用いた脱水反応実験を行った。tert-ブタノールに関しては、本装置で反応が進行し、ガスが生成することを確認した。しかし、2-ブタノールの場合には反応がほとんど進行せず、tert-ブタノールの場合でもフェノール濃度を10wt%程度までかなり高くする必要があることがわかった。反応速度の解析には、より低いフェノール濃度とした条件で測定する必要があり、反応器容積1ccでは滞在時間が短すぎるということがわかった。以上を通じ高温高圧水用の装置に関するノウハウを蓄積した。 これをもとに、反応器容積を10cc程度とすることとし、外径1/8インチのチューブと混合部・冷却部をコンパクトに内包したユニットから成る高温高圧用マイクロ反応器を新たに作成した。現在はその組み込み作業を行っている所である。
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