2007 Fiscal Year Annual Research Report
微小流路での液液slug流における循環流・相間物質移動を活用した複合反応制御
Project/Area Number |
19760535
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
青木 宣明 Kyoto University, 工学研究科, 助教 (90437244)
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Keywords | スラグ流 / マイクロ流路 / 循環流 / 相間物質移動 / 反応制御 |
Research Abstract |
本研究の目的であるスラグ流における2相間の物質移動を複合反応制御に生かすことを目的に,今年度はマイクロ流路におけるスラグ流の2相間の物質移動について操作条件による影響を検討することを試みた。 まず,スラグ流による物質移動促進効果を確認するために,ドデカン中の1000ppmのフェノールの水相への抽出を例に取り,濃度のT字路(内径1.3mm)にテフロンチューブ(内径0.8mm)を接続して,総流量(2-4mL/min)(水相と油相は同流量)を変更した実験を行った。総流量が増えるほど迅速に抽出が起こるようになり,スラグ内の循環流が2相間の物質移動を促進することが確認できた。また,各種操作条件による抽出速度への影響も検討した。テフロンチューブの内径,水相と油相の流量比を変更した結果,どちらにも最適値(内径は0.8mm,水相の体積分率は0.7)が存在し,温度については,低温になるほど抽出が速く進むことがわかった。この結果から,適切な操作条件の選択が効率的な物質移動に重要であることが明らかとなった。 また,スラグ流の安定形成条件を検討した。これにはPDMS(Polydimethylsiloxane)製のチップ状に流路径250,500,750μmのT字路を形成し,蒸留水とドデカンを同流量で送液し,スラグ流の形成の状態を観察した。流路径が大きくなるほど,安定してスラグ流が形成できる流量の最大値が増大することがわかった。流路径250μmでは総流量0.2mL/minまで安定していたのに対し,750μmになると5mL/minまでとなった。ある程度の流路サイズ・処理量を確保したい実生産への適用を考えると,このような結果は好ましいものと考えられる。
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Research Products
(1 results)