2007 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界流体の圧力誘起相分離法によるナノ粒子表面修飾と生体分子イメージングへの応用
Project/Area Number |
19760537
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
松山 清 Fukuoka University, 工学部, 助教 (40299540)
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Keywords | ナノ材料 / 超臨界流体 / 分子イメージング / 表面修飾 / 生体認識 / 相分離 / 二酸化炭素 |
Research Abstract |
超臨界二酸化炭素中での表面修飾ナノ粒子の形成技術開発のための基礎的技術として、高出力型超音波分散装置を導入した高圧反応容器を試作した。高圧反応容器の構造を袋ナット型にすることで、超音波ホーンから発生される高出力の超音波を超臨界および液体状態の二酸化炭素中で発生させることに成功した。試作した超音波分散型高圧反応容器を用いて、二酸化炭素中で酸化チタンナノ粒子の分散を試みたところ、超音波の出力の増加に伴い、酸化チタンナノ粒子の凝集が解消され、分散性が向上することがわかった。また、粒子の分散性は、超臨界状態(15MPa、40℃)よりも液体状態の二酸化炭素(5MPa、20℃)の方がいいことがわかった。これは、液体状態の二酸化炭素中では超音波の出力にともないキャビテーションが発生し、凝集粒子に強力なせん断力が加わったためと考えられる。一方、流体力学的に考察した結果、超臨界二酸化炭素中では超音波照射により、キャビテーションを発生させることは困難であり、二酸化炭素中でのキャビテーション効果による粒子の分散性の向上は望めないことも確認した。 さらに液体二酸化炭素での超音波照射により分散したナノ粒子の表面修飾法についても検討した。ナノ粒子表面の水酸基と反応性を有するメトキシシランやNHS(N-hydroxysuccunimide)を含む化合物を用いることで、液体二酸化炭素中でもナノ粒子の分散および表面化学修飾が可能であることが分かった。表面修飾処理を施すことで、表面が親水性のナノ粒子を有機溶媒中でも分散することに成功した。
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