2007 Fiscal Year Annual Research Report
層状ペロブスカイト型化合物を出発原料とした機能性多孔質材料の開発
Project/Area Number |
19760539
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
小笠原 正剛 Akita University, 工学資源学部, 助教 (40431613)
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Keywords | 層状化合物 / メソ構造体 / 複合材料・物性 / 多孔質材料 / 触媒・化学プロセス |
Research Abstract |
本年度は,1.多孔質材料の出発原料とする層状ペロブスカイト型化合物の新規合成,2.K_2NbO_3Fとアルキルトリメチルアンモニウム系界面活性剤(C_nTMA)からメソ構造体を合成し,そのNb-局所構造解析および塩基触媒としての評価,3.メソ構造体から鋳型を焼成により除去し,得られた多孔体についての塩基触媒としての評価,を行いそれぞれ以下の知見を得た。 1.新規層状ペロブスカイト型化合物の合成は,固相反応法により行った。種々検討した中で,K-Nb-Mo-0-F系において単一相が得られた。しかしながら,組成のバリエーションはまだ低いため引き続き検討を重ねる。 2.EXAFS分析により,K_2NbO_3FとC_nTMAから得られるメソ構造体のNb-局所構造は,合成時のpHによって変化することを見出した。得られた知見から,メソ構造体の局所構造制御により触媒作用の設計が可能になることが期待される。シアノ酢酸エチルとベンズアルデヒドのKnoevenagel反応をテストリアクションとして,メソ構造体の塩基触媒活性を評価した。その結果,低pHで合成した場合活性が低下することがわかった。そこで,高活性なメソ構造体を得ることを企図し出発原料にアルカリ金属塩化物MCI(M=Na,KCs)を加え,Nb-M系メソ構造体の合成を行った。 3.Nb-M系メソ構造体は熱安定性が低かったため,更にTEosを出発原料に加えsi-Nb-M系メソ構造体を合成した後,鋳型を除去し2〜4nmのメソ孔を有する多孔体を合成した。得られた多孔体の塩基触媒活性を比較した結果,Naを導入した組成において活性が高くなることがわかった。多孔体の組成分析を行った結果,NaはKやCsに比べて多く含まれることから,アルカリ金属の種類によって細孔壁内における存在サイトが異なることが示唆され,それに伴い触媒活性が異なるこどが推察された。ことが推察された。
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