2008 Fiscal Year Annual Research Report
層状ペロブスカイト型化合物を出発原料とした機能性多孔質材料の開発
Project/Area Number |
19760539
|
Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
小笠原 正剛 Akita University, 工学資源学部, 助教 (40431613)
|
Keywords | 二元細孔 / 複合材料・物性 / 層状化合物 / 多孔質材料 / メソ構造体 / 触媒・化学プロセス |
Research Abstract |
本年度は, 第一にK-Nb-Mo-O-F系層状ペロブスカイト型化合物についてMo/Nb比の異なる幾つかの組成で合成し, アルキルトリメチルアンモニウム系界面活性剤 (C_nTMA) を構造規定剤 (SDA) としてメソ構造体の合成を行った。次に, テトラエトキシシラン (TEos) を出発原料に加えSi-Nb-Mo系メソ構造体を合成した後, SDAを除去し代表細孔径2〜4nmのメソ孔を有する多孔体を合成した。このとき, 出発原料の層状ペロブスカイト型化合物とTEOS量を制御すると, 一次粒子の間隙に由来する10〜60nmの細孔をあわせもつ多孔体が得られた。機能性評価として, si- Nb- Mo系メソ多孔体を触媒とし, シクロヘキセンの液相酸化反応を行った。この反応試験において, 過酸化水素を酸化剤として用いたところ, ある一定以上の触媒量を用いるとシクロヘキセンの転化率が減少することがわかった。このとき, 過酸化水素消費量とシクロヘキセンの転化率増加の関係が一致しなかったことから, シクロヘキセンの転化率の減少は, 過酸化水素が酸化反応に作用せずに自己分解するためと示唆された。シクロヘキセンと過酸化水素をそれぞれ2.5mmolとし, 0.01gの触媒を用い反応試験を行ったところ, Mo置換量の多い層状ペロブスカイト型化合物を出発原料として得られたメソ多孔体ほど, 高いシクロヘキセンの転化率を示す傾向が見られた。また, 同時にエポキシシクロヘキサンの選択率が向上することも確認できた。さらに, Si-Nb-Mo系メソ多孔体を水熱処理すると触媒活性が向上することを見出した。
|
Research Products
(6 results)