2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19760543
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
清水 研一 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 助教 (60324000)
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Keywords | 尿素脱硝法 / 固体酸触媒 / ディーゼル自動車 / クラスター / 反応機構 / 紫外可視分光 / 赤外分光 / 環境触媒 |
Research Abstract |
ディーゼル自動車排ガスからの窒素酸化物(NO, NO_2)除去法として、尿素脱硝法が実用段階にあるが、装置普及には触媒活性向上が必須である。従来の尿素脱硝研究は触媒メーカーによる改良研究が専らであり、新規触媒の開発や基礎研究はほとんど行われていない。本研究では、微量水素共存下での尿素脱硝(尿素によるNOの選択還元反応)に有効な新規Ag触媒の開発及び、高活性化のための基礎的知見の構築を目的として研究を行ってきた。平成21年度は、秒単位で反応雰囲気を変動(酸化-還元サイクル、NO_x ON-OFFサイクル)させた条件下で、in-situ UV-vis測定を行い、表面Ag活性種のダイナミック解析を行った。気相分子の挙動とあわせて、雰囲気(還元剤/酸素比)や温度を急激に変動させた非定常条件での触媒表面ダイナミクスを解析した。以上から得られた仮説を時間分解XAFS測定により精密化した。SPring-8、 BL14B2でのAg K-edge QXAFS測定により、Agクラスターの幾何構造の動的変化を解析した。反応分子吸脱着や吸着種と気相ガスとの反応に伴うAgクラスターの組織化・再分散の過程の速度論を決定し、活性クラスター種の生成機構や、反応素過程を解明する。ダイナミクス解析の結果をもとに、Agクラスターの構造・濃度の周期的雰囲気変動による人為的制御を試みた。実際の自動車排ガスの組成・温度を、最も高活性な状態であるAg13殻クラスターの表面濃度が最大となるように制御すれば動的平衡の条件で触媒の最大特性が得られるとの提案をした。
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