2007 Fiscal Year Annual Research Report
その場分析による水性ガスシフト反応用銅系触媒の失活要因の解明
Project/Area Number |
19760545
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宍戸 哲也 Kyoto University, 工学研究科, 准教授 (80294536)
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Keywords | その場分析 / 水性ガスシフト / 銅系触媒 / 燃料電池 |
Research Abstract |
銅-アルミ系触媒による水性ガスシフト反応について、その活性および特にDSS(Daily Start-up and Shut down)運転条件下における安定性について検討を行った.含浸法,共沈法により調製した銅-アルミ系触媒の活性および安定性に大きく違いがあること、また焼成温度により安定性が大きく変化することが分かった.即ち、共沈法で調製し、比較的低温で調製した触媒の活性、安定性が高いこと、その安定性は、工業用銅-亜鉛系触媒よりも高いことを見出した.いずれの調製法で調製した触媒についても,CO転化率は焼成温度の上昇に伴い向上し973 K付近で最大値となり,それ以上の温度では焼成温度の上昇に伴い低下した.還元処理によりスピネル相上に高分散状態で存在するCuOが還元されCuO微粒子が生成すると推測される.焼成温度973 K以上でのCO転化率の低下は,スピネル骨格内にCu種が取り込まれることによって難還元性のCu2+種が増加し,高分散CuO種が減少することによってCuO表面積が低下したためと考えられる.高い安定性を示す触媒では、DSS処理後にベーマイト相が観測されるのに対して、活性劣化が著しい触媒では、ベーマイト相の形成は進行しなかったことからベーマイトの形成が安定性の向上に寄与していることが分かった.また,水蒸気処理前後における銅の酸化還元特性が,活性および安定性に関係していることを見出した.即ち、銅の分散度だけでなく、酸化還元がより低温で進行する銅種が多いほど活性が高いことが示された.これらの触媒について,銅種の構造・電子状態の変化を時間分解XAFS法による"その場分析"の予備的な検討を行い,実験条件の整備等を行った.
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