2008 Fiscal Year Annual Research Report
その場分析による水性ガスシフト反応用銅系触媒の失活要因の解明
Project/Area Number |
19760545
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宍戸 哲也 Kyoto University, 工学研究科, 准教授 (80294536)
|
Keywords | その場分析 / 水性ガスシフト / 銅系触媒 / 燃料電池 |
Research Abstract |
均一な前駆体を823Kで焼成して調製したCu-Al-Ox触媒は, DSS水蒸気Cu-Zn-Al系にも見られない特異的な特徴を示すことを見出した. DSS処理によるBET比表面積の変化および金属銅表面積の変化から, 触媒の構造変化がDSS処理に対する耐久性に大きな影響を及ぼすこと, CO転化率と金属銅表面積の間には緩やかな相関が見られ, DSS処理による活性低下の要因の一つは金属銅の粒子成長であることが示唆された. DSS処理を繰り返すごとに次第に活性が向上する触媒ではDSS水蒸気処理を繰り返すごとに, ベーマイト相の形成が確認された. また, ベーマイト相の回折線の強度の変化と, 比表面積およびCO転化率の傾向が一致した. 一方, 次第に活性が低下する823Kで焼成した触媒では, ベーマイト相の形成は確認されなかった. これらの結果からベーマイト相の形成が, 触媒の活性に影響することが示唆された. 昇温還元法によりDSS処理による触媒の還元性の変化について検討した結果. DSS処理により活性が向上する触媒では, 焼成後の触媒で550K付近に確認された金属銅の還元に由来する水素消費ピークが, DSS水蒸気処理を増すごとに低温側ヘシフトした. 低温側へのシフトは, 金属銅が高分散したことを示唆している. ベーマイト相の形成により比表面積が増加し, 金属銅の分散度が向上すると同時に凝集が抑制された結果, 触媒活性が向上または維持されたと考えられる. さらに, in-situ XAFS測定の結果から, DSS処理中に酸化還元を受けるCu種の割合が活性が高い触媒で多いことが分かった。これらのことから, 金属銅の分散度だけでなく, 酸化還元をしやすいCu種が多いほどCOシフト反応の活性が高いことが分かった.
|