2008 Fiscal Year Annual Research Report
固体酸化物形燃料電池への適用を目指したバイオガス用燃料極の性能向上に関する研究
Project/Area Number |
19760546
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
白鳥 祐介 Fukuoka University of Education, 大学院・工学研究院, 助教 (00420597)
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Keywords | 触媒・化学プロセス / 燃料電池 / バイオマス |
Research Abstract |
当該研究において、Ni_<1-x>Mg_xO(x=0,0.1)を燃料極材料に適用し、模擬バイオガスを供給して200時間以上に渡るSOFCの運転に成功した。これにより、バイオガス直接供給SOFCは十分実現可能であることが示されたが、バイオガスの組成は廃棄物の種類により変動する上、不純物を含むため、バイオガスSOFCを実現するためには、燃料極材料の改質活性を向上させる必要がある。そこで、模擬バイオガス供給時のNi_<1-x>Mg_xO-ScSZアノード(x=0〜0.4)の改質活性を自動ガスクロマトグラフを用いて評価し、改質活性のMgO添加量依存性を明らかにした。以下に詳細を示す。 TGを用いたNi_<1-x>Mg_xOの酸化還元特性の測定により、Ni_<1-x>Mg_xOの還元速度はx=0で著しく速く、x≧0.1ではxと共に低下して行くこと、還元処理後のNi_<1-x>Mg_xOの酸化速度は、x=0で遅くなるが、x≧0.1では著しく速く、x依存性がないことが明らかとなった。模擬バイオガス(CH_4/CO_2=1.5)供給時の、Ni_<1-x>Mg_xO-ScSZアノード(x=0〜0.4)上で生じる改質反応の速度は、バイオガス供給初期は、xと共に直線的に増加した。しかしながら、高い活性を維持させるためには、x=0.4のMgO添加が必要であることが明らかとなった。改質試験後のFESEM-EDX観察により、xと共に微細なNi粒子の析出が顕著になってきており、このことが触媒能の向上につながっている。改質試験中に、Ni_<1-x>Mg_xO-ScSZと空気極間に発生する電圧を計測したところ、明確なx依存性は見られなかった。このことは、セル電圧は改質反応の速度に依存しておらず、電圧を決めるているのは電極近傍のガス組成であることを示している。Ni_<1-x>Mg_xO(x=0〜0.4)をペレット状に成型、焼成し、還元処理後、四端子法により導電率測定を行ったところ、x≧0.2では絶縁性を示し、導電性を示すx=0および0.1の場合のみ、電極に直接適用可能であることが明らかとなった。x≧0.2を適用可能にするには導電性の付与が必要であることが明らかとなった。
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