2007 Fiscal Year Annual Research Report
コンビナトリアルアプローチによる人工シャペロン分子の開発とプロテオミクスへの応用
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19760549
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山口 哲志 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 助教 (80398106)
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Keywords | 蛋白質 / リフォールディング / 凝集反応 / 人工シャペロン / コンビナトリアルアプローチ / 凝集抑制剤 / スクリーニング / 速度論的解析 |
Research Abstract |
本研究の目的は,蛋白質の凝集を抑制し,蛋白質のリフォールディングを介助する新しい小分子凝集抑制剤(人工シャペロン分子)を開発すること,および、その分子構造と機能との関係を調べることである.アルギニン塩酸塩などの既存の凝集抑制剤は,市販の汎用試薬の中から見出されたものばかりであり,系統的に分子構造を多様化させたライブラリーから探索した例はほとんどない.そのため,どのような分子構造を有する分子が,蛋白質の構造および構造形成は阻害せずに,蛋白質の凝集反応を抑制できるのかは不明である.従って,人工シャペロン分子を合理的に設計するのは不可能であるのが現状である.そこで,多様性に富んだパーツを組み合わせて合成小分子ライブラリーを調製し,その中から目的の機能を有する分子をスクリーニングするというコンビナトリアルアプローチによって,人工シャペロン小分子の開発を試みた.その結果,シード化合物を3つのパーツに分けて調製したライブラリーの中から,既存のリフォールディング用凝集抑制剤よりも優れたリフォールディング収率向上効果を示す化合物を5つ見つけることに成功した.また,リフォールディング反応の速度論的解析により,候補化合物群の疎水性部位の構造が,蛋白質の凝集反応および構造形成反応に与える影響を明らかにすることにも成功した.このように,コンビナトリアルアプローチが,人工シャペロン小分子の開発,および,その構造機能相関を明確にするのに有効であることを実証した.
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Research Products
(4 results)