2007 Fiscal Year Annual Research Report
ピコリットルバイオリアクターのオンデマンド調製技術の確立
Project/Area Number |
19760552
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
小野 努 Okayama University, 大学院・環境学研究科, 准教授 (30304752)
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Keywords | バイオリアクター / ピコリットル / マイクロカプセル / 液滴 / ゲル |
Research Abstract |
本研究では,ピコリットルスケールの体積をもつそれぞれが隔離された空間をマイクロリアクターを用いて調製し,その区画化されたマイクロ空間をバイオリアクターとして用いるために生体触媒を包括した。生体触媒としては,微生物である大腸菌および大腸菌破砕液中のタンパク質合成成分のみを取りだした無細胞タンパク質合成試薬を用い,流路幅が数十〜数百μmほどのマイクロ流路を用いて単分散液滴調製およびゲル化を行った。その結果,生体触媒を含む水溶液を核とした油中水滴型(W/O)エマルションを単分散で調製可能なことを示し,アガロース含有水溶液を用いて約40℃で液滴調製を行い,常温で冷却することで生体触媒を含む単分散マイクロゲル粒子の調製に成功した。約60μmほどの単分散ゲル粒子中において,大腸菌および無細胞タンパク質合成系が機能し,目的タンパク質をコードする遺伝子を導入することでマイクロゲル粒子内で増殖および目的タンパク質の発現が可能なことが明らかとなった。培地濃度,アガロースゲル濃度,ゲル粒子調製手順などを変化させることで,ゲル粒子内部におけるタンパク質発現挙動は影響を受け,ゲル粒子内部での物質拡散が反応速度に重要であることが示唆された。通常の機械的撹拌と比較してもマイクロリアクターを用いたピコリットルのバイオリアクターを斉一に連続的に作ることが可能であり,過度の剪断力を必要としないため,安全に生体分子を内封することが可能になった。
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Research Products
(1 results)