2008 Fiscal Year Annual Research Report
ピコリットルバイオリアクターのオンデマンド調製技術の確立
Project/Area Number |
19760552
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
小野 努 Okayama University, 大学院・環境学研究科, 准教授 (30304752)
|
Keywords | バイオリアクター / ピコリットル / マイクロカプセル / 液滴 / ゲル |
Research Abstract |
本研究の目的として, ピコリットルスケールの体積を有するマイクロカプセルを利用してバイオリアクターとしての応用の可能性を検討するものであり, 精密な微細液滴調製技術の構築と細胞と同等レベルの単分散マイクロカプセル内での物質生産が可能な技術の構築を目的としている。昨年度までに, マイクロリアクターを用いた単分散ピコリットルカプセルの調製方法を開発してきた。そのピコリットル空間内へ大腸菌を均一に分散させることに成功し, 各大腸菌がピコリットルカプセル内で増殖を起こし, 各カプセル内で独立してコロニーを形成することを明らかにすることができた。予め目的とする遺伝子をコードしたプラスミドを有する大腸菌によって, 形成されたコロニーが顕微鏡での確認が可能なほどピコリットル容器内で発現していることが示され, 単一の大腸菌からコードした遺伝子に由来する蛋白質を生産可能であることが示唆された。 アガロースで形成した数十マイクロメートルオーダーのゲル微粒子内に大腸菌を区画化することで, ドデカン中で高効率な蛋白質発現が観察されており, これは有機溶媒の溶存酸素量が水中に比べて著しく高いことに起因するものと考えられ, マイクロゲル化することで各大腸菌を隔離した状態で高効率な増殖およびコロニー形成を促進しているものと期待される。本技術は, 大腸菌の新しい培養場の構築と微生物による蛋白質生産場を新規で構築したこととなり, 今後の有用蛋白質生産において生産力の高い大腸菌の育成および有用蛋白質の高効率生産に繋がる重要な知見を与えたと言える。
|
Research Products
(1 results)