2007 Fiscal Year Annual Research Report
微小中空球形カプセルを用いたES細胞からの均一径胚様体大量調製法の確立
Project/Area Number |
19760554
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
境 慎司 Kyushu University, 工学研究院, 助教 (20359938)
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Keywords | ES細胞 / 再生医療 / 生体材料 / アイクロカプセル / バイオテクノロジー / 生物・生体工学 |
Research Abstract |
本年度は、(1)単一球状中空構造を有するカプセル作製のための条件の確立、(2)包括細胞の生存性、(3)ES細胞のカプセル内での増殖性 の3点に関して重点的に評価を行い、それぞれに関して以下の様な知見を得た。 (1)中空構造のカプセル作製は、細胞を包括したゲルビーズを高分子の皮膜で被覆した後に、細胞を包括していたゲルを酵素反応により分解することにより行う。そこで重要となるのは、それぞれのゲルビーズに均一性の高い皮膜を形成させることである。そこで、細胞包括ゲルビーズと皮膜となる高分子溶液の混合割合をコントロールすることにより、その制御を試みた。その結果、ゲルビーズと高分子溶液の混合体積比を1:50程度とすることで、単一球の中空構造を有するカプセルを作製することに成功した。 (2) 上記で確立した条件が動物細胞の生存に悪影響を与えれば、本研究では使用することはできない。このことを確かめるために、安価に使用可能なネコ腎由来細胞を包括して、中空カプセル作製後の生存率を測定した。その結果、カプセル作製直後の生存率は約80%と非常に高かった。さらに、包括された細胞はカプセル内で増殖することも可能であった。これらの結果より、上記の単一球状中空構造を有するカプセル作製条件では良好に動物細胞の包括が行えることが明らかとなった。 (3) 上記の結果に基づき、マウスES細胞を中空カプセルに包括し、その増殖挙動と胚様体様の構造体の形成の有無に関する検討を行った。その結果、包括されたES細胞は、包括12時間後には細胞塊を形成し、球状の組織体の形状を保ったまま増殖し、5日程度でカプセル内を埋め尽くすほどに成長した。このことから、本年度検討をを行ったカプセル作製のための条件を利用して、胚様体様の構造体を作製可能であることが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)