2007 Fiscal Year Annual Research Report
トランスジェニック鳥類による高活性型ヒトエリスロポイエチンの卵黄での生産
Project/Area Number |
19760555
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
河邉 佳典 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 助教 (30448401)
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Keywords | トランスジェニック鳥類 / ヒトエリスロポイエチン / レトロウイルスベクター |
Research Abstract |
まずFc融合型hEpo(hEpo-Fc)レトロウイルスベクターの構築と動物細胞による生産を検討した。ニワトリβアクチンプロモーターの制御下で、hEpoと鳥類卵黄への移行蓄積効率が高いヒトIgG2由来のFc領域との融合タンパク質を発現ユニットにもつレトロウイルスベクタープラスミドを作製した。作製したプラスミドをウイルス生産細胞である293FT細胞にウイルス構成タンパク質であるgag/polおよびウイルス外皮タンパク質であるVSVGの発現ベクターとともに-過性で発現させることによりレトロウイルスベクターを生産させた。培養液中のウイルスベクターを高速遠心により濃縮し、10^<7>〜1 0<8>lU/mlの高力価のウイルスベクターを調製できた。このウイルスベクターを用いてCHO細胞に遺伝子導入しGFP生産を指標として、限界希釈法により高発現細胞株を樹立した。組換えCHO細胞によって生産されたhEpo-Fcをウエスタンブロット法により解析したところ、予想された分子量で検出することができた。また、生産したhEpo-FcをEpo依存性細胞により評価したところ、hEpo活性を保持しており適切に機能することがわかった。 次に、Fc融合型hEpo発現用ウイルスベクターを用いて、ニワトリ胚に遺伝子導入を行い、トランスジェニック鳥類を作製した。まず、調製したウイルスベクターを高濃度に濃縮後、適切な発生ステージのニワトリ胚に微量注入した。その後操作した個体をIn viho胚培養法により培養し、孵化率36%(13/36)で孵化させることができた。孵化したトランスジェニック鳥類の血中におけるhEpo-Fcの発現量をELISA法により定量したところ、血清中に100μglml以上で生産していることを確認した。また、ニワトリが生産したhEpo-Fcをウエスタンブロット法により解析したところ、予想どおりFc領域により二量化していた。また、CHO細胞が生産したものよりバンドがシフトしていたことから、より糖鎖付加が起こっていることが期待された。
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Research Products
(1 results)