2008 Fiscal Year Annual Research Report
トランスジェニック鳥類による高活性型ヒトエリスロポイエチンの卵黄での生産
Project/Area Number |
19760555
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
河邉 佳典 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 助教 (30448401)
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Keywords | トランスジェニック鳥類 / ヒトエリスロポイエチン / レトロウイルスベクター / Fc融合タンパク質 / バイオリアクター / 卵黄移行 |
Research Abstract |
本年度は作製したFc融合型hEpo(hEpo-Fc)を発現する遺伝子導入ニワトリの解析を行った。目的遺伝子は全身で強く発現するニワトリβアクチンプロモーターで制御されているため、まず遺伝子導入ニワトリが血清中に生産したhEpo-Fcの発現をウエスタンブロット法で解析した。その結果、すべての個体においてhEpo-Fcが発現していることがわかった。検出されたバンドはブロードとなっていたことから糖鎖修飾がなされていることが示唆された。また、ELISA法により飼育期間中定量したところ、長期にわたり安定して生産していた。メンドリにおいては性成熟後産卵した卵中のhEpo-Fcを定量したところ、卵白および卵黄中においても安定して生産可能であり、それぞれ9-66、12-41μg/mlの濃度で生産していた。Fc非融合型hEpoを生産する遺伝子導入ニワトリでは、卵黄中での生産は見られなかったことから、Fc融合タンパク質としたことで、血中から卵黄へ移行したものと考えられる。次に、血清および卵中で生産したhEpo-Fcを精製し、レクチンブロットにより糖鎖解析をおこなったところ血清および卵黄中において生産されたhEpo-Fcはシアル酸まで修飾された構造となっていることがわかった。続いて、in vitro生理活性測定を行った。hEpo-FcのEpo濃度をELISA法により標準化して、Epo依存性細胞の細胞増殖応答を測定した。その結果、卵黄由来hEpo-Fcは卵白由来hEpo-Fcと比べて血清由来hEpo-Fcと同程度のEC50値を示した。これにより、Fc融合型とすることで血清中の高活性型hEpoを、卵黄において活性を維持させ生産できたと考えられる。
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Research Products
(5 results)